公益目的支出計画について。
こんにちは。上田公認会計士事務所の穂積です。
今回は、特例民法法人(旧民法34条の公益法人)が一般法人に移行する場合に作成する「公益目的支出計画」についてお話しさせていただきます。
「公益目的支出計画」とは、簡単に言うと「従来の公益法人が税制上の優遇などにより法人内部に留保した財産(公益目的財産額)を本来の目的である公益目的に使用することにより0にする計画」と言えます。
一般法人へ移行するためには、この公益目的支出計画が「適正であり、その計画が確実に実行されると見込まれること。」が要件の一つになっています。
この公益目的支出計画は誤解されることが非常に多く、法人の正味財産が無くなることによって計画が終了する、というイメージをお持ちの公益法人が多いのではないでしょうか。
まず前提として、公益目的財産額がマイナスになる法人は作成する必要はありません。特殊なケースになりますが、法人が所有している土地などの資産は時価評価するのですが多額の評価損が出てしまい公益目的財産額がマイナスになるケースが考えられます。
次に、この計画を実施中の法人が正味財産を増やしていくことは可能です。
まず、「事業の分類・整理」をして事業別の損益を把握する必要がありますが、この計画は今まで行ってきた公益事業のうち、黒字事業は組み入れず赤字事業だけを選択して計画に組み入れることが可能なので、法人全体の損益は黒字であっても計画上は毎年計上される赤字により公益目的財産額を減らしていくことになります。
シンプルなケースとして、A公益事業の損益は50の黒字、B公益事業は100の赤字、C公益事業が100の赤字、D収益事業が300の黒字の場合、法人合計では150の黒字になります。
上記のうち公益目的支出計画に組み入れる事業を、赤字のB公益事業100とC公益事業100にした場合、毎年200の赤字になるため公益目的財産額が2,000の場合は10年で計画が終了する計算になります。
実際には上記のような単純な計算にはならないかもしれませんが、イメージだけでも捉えていただければと思います。
