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2010年06月 アーカイブ

2010年06月07日

内閣府の「早期申請に向けた新公益法人制度の理解を深めるための相談会」に、相談員として参加しました。

 こんにちは。上田公認会計士事務所の上田久之です。
 
 公益認定等委員会は、新公益法人制度の申請状況が当初の予定よりも、低調であることから、本年4月1日から新しい方針で対処されることになりました。新聞等で既報のとおり4人の認定等委員会の委員が交代され、従来からも「あたたかい目」で審査する方針でしたが、やや審査が微に入り細を穿つ面もなきにしもあらずという状態であったため、入口は易しくするということではないが大局的な観点から審査をし、できるだけ審査期間も短くするということになりました。又、早期申請を促すために内閣府が弁護士や公認会計士や司法書士といった外部専門家へ委託し、制度理解を深めるための大掛かりな相談会(1回の相談会に20人の外部専門家に委託し60法人の相談に応じる。)を定期的に開催することになりました。

 私も、この相談員の委嘱を受けまして5月26日に東京の高輪で第1回の相談会に相談員として参加いたしました。私は3法人の相談に応じましたが、どの法人様も事前相談シートをきちんと記入され、時間前から待機され、中には遠方からも来られていました。1法人50分という非常に限られた時間の中で、皆さん時間一杯熱心に質問をされました。

 制度の内容をよく熟知され法人内部の検討も済まされて、ほとんど申請書も出来上がっている状態の法人様もあれば、法人の方針も決まっていないし、制度の内容もまだよくご存知でない法人様もありました。

 私は会計の専門家ですので、公益性の考え方とか財務3基準の充足の方法とか、申請書の財務関係の部分についての相談を担当しました。
 弁護士や司法書士の先生方は、定款や組織の質問を受けていたようです。私自身も新制度移行の相談はほとんど関西の法人様を中心に受けておりますので、東京に本拠をおく法人様の抱える色んな実務的な問題について助言させていただく機会を得て貴重な体験をさせていただきました。

詳しくは、当事務所公益法人担当者(穂積、松井)までお尋ね下さい。

2010年06月18日

実施事業等について。

 こんにちは、上田公認会計士事務所の穂積です。

 今回は、一般社団法人・財団法人へ移行する場合の公益目的支出計画に記載することができる実施事業等についてお話したいと思います。

 実施事業等とは、ガイドライン2-1注書によれば『実施事業及び特定寄付をいう』とされています。つまり、実施事業のうちに公益目的事業と継続事業が存在するという構成になっています。

 まずは、それぞれの特徴について見ていきたいと思います。
1.公益目的事業
 公益目的事業は、認定法における公益目的事業と同様の基準が求められ、行政庁により判断されます。
 公益目的事業は、移行認可申請前から実施していなかった事業であっても、新たに実施事業として公益目的支出計画に記載することができます。
 なお、移行認可申請後においても公益目的事業であれば、公益目的支出計画の対象事業に追加することができます。

2.継続事業
 継続事業とは、法人が移行認可申請前から実施していた事業であって旧主務官庁の監督下において公益に関する事業として位置づけられている事業となります。継続事業に該当するかどうかについては、行政庁は旧主務官庁に対し意見聴取を行うものとし、原則として旧主務官庁の意見が尊重されます。ただし、公益に関する事業としてはふさわしくないと考えられる場合においては、旧主務官庁の意見にかかわらず、実施事業として認められないこともあります。
 なお、継続事業は移行後に新たに追加することはできません。

3.特定寄付
 特定寄付とは、認定法第5条第17号に規定する者に対する寄付をいいます。
その支払先を具体的に特定する必要があり、特定寄付に該当するかどうかの判定は行政庁が行います。

 また、実施事業等については以下の要件を満たす必要があります。
1.実施事業等を行うにあたり、特別の利益を与えるものでないこと
2.実施事業を行うのに必要な技術的能力を有していること
3.実施事業については、定款に記載した事業であること
4.公益目的支出計画に実施事業等ごとに、それぞれの内容、収益・費用に関する額等
  について記載すること
5.支出の総額が収入の総額を上回ること

 実施事業等は、事業ごとの区分経理を行う必要があります。区分経理を行うには、現在行っている事業のたな卸しを行い、どの事業が実施事業等に該当するかの検討から始ることが必要となります。実施事業等に該当する事業が無い場合は、さらなる検討が必要となりますので、まずは事業のたな卸しを行うことをお勧めします。

 ご不明な点は、上田公認会計士事務所の穂積までご質問ください。

公益法人セミナーの講師を行いました。

 平成22年6月11日、弊事務所のお客様の社団法人様で、「公益法人制度改革(移行認定・移行認可)の最近の動きについて」の研修会を行い、弊事務所所長の上田と公益法人専任担当の穂積が講師をさせていただきました。
 内容は、下記テーマについて説明させていただきました。
1.「移行認定・認可申請の最近の動きについて」
 ・最新の移行認定・移行認可の情報
2.「一般社団(財団)法人のメリット」
 ・公益に移行した場合のデメリット
 ・公益、一般判定チェックシートの説明
 ・役員・会議等の注意事項
3.「公益目的支出計画のポイント」
 ・公益目的支出計画の考え方
 ・公益目的財産額の算定

 上田公認会計士事務所では今回のような研修会やホームページを通じて新公益法人制度を分かり易くご説明できれば、と考えております。また公益法人への移行認定申請だけでなく一般法人への移行認可申請の相談も受け付けております。どうぞお気軽にご相談ください。

2010年06月23日

収支相償判定の1段階において赤字の事業と黒字の事業がある場合の取扱いについて。

 こんにちは。上田公認会計士事務所の上田久之です。

 公益目的事業に整理する事業に、甲と乙の2つの事業があったとして、甲事業は毎期安定的に運営されており黒字基調、乙事業は財源が乏しく常に赤字。このような場合に、甲事業について、乙事業実施に必要な費用として特定費用準備資金を繰り入れ、乙事業で必要な時期に取崩すことができるかとの質問を受けました。
 収支相償の第1段階での剰余金はその事業に係わる特定費用準備資金に繰り入れるか、翌年度(もしくは翌々年度までに)その事業に使用することが求められます。(また、第1段階では資産取得資金に繰り入れることはできません。)よって、甲事業で生じた黒字は、乙事業に充てることは認められません。それを許すと第1段階で個々の事業ごとに収支相償の判定をすることの意味が失われてしまうからです。
 但し、甲事業と乙事業が法人の目的に照らしてひと括りにする合理的な説明がつけば、1つの公益事業にまとめることによって、事業間の資金の融通は可能となります。
 実際の申請をみても、複数の公益事業を実施しているが公益目的事業は一つとしている事例がかなりあります。但し、あまりにもかけはなれた事業同志(例えば、認知症の家族を支援する事業と犯罪被害者を支援する事業)は、ひと括りにすることは難しいと思われます。

 詳しくは、当事務所公益法人担当者(穂積、松井)までお尋ね下さい。

2010年06月25日

医師会、歯科医師会、薬剤師会が行政から委託を受けている事業(健診、予防接種等)の公益目的事業への整理について。

こんにちは。上田公認会計士事務所の上田久之です。
医師会、歯科医師会、薬剤師会様が行政から健診、予防接種等の事業を受託していることがよくあります。そして、医師会全体としての事業のうちで受託事業のウエイトが高く、これらを公益目的事業としない限り、公益認定が難しい事例について対応を考えてみます。

1.医療事業の公益性
 まず、健診事業としては、特定健診やがん健診、乳幼児健診がありますが、健診事業は医療にかかわる事業ですから、公益認定等委員会のFAQ9?10で明らかにされているように、医療に関しては、その医療を通じてどのように社会に貢献するのかを明らかにする必要があります。
そのため、単に健診事業として公益性を主張するのではなく、例えば、学術講演事業と併せて住民の健康増進に寄与する事業として事業をくくることも有効と考えます。
 また、平成22年4月28日の「委員会だより3」においてもよくある誤解として「医療事業は殆ど公益目的事業として認められないのかとの質問に対して、そんなことはありません」と回答していることも心強い見解といえます。
 また、本ブログでも以前に述べたことがありますが、大分県成人病健診協会において「県民の健康増進に寄与する事業」として、「健康診断」、「健康指導」、「健康教育」の3事業を一体運用することで公益認定を受けた事例も参考になります。

2.収支相償の検討
 これら健診事業や予防接種を公益目的事業とする場合、次に、収支相償の要件を検討します。健診事業は通常の場合、行政からの受託単価と医療機関への委託単価が一致しているので、直接の収入と支出の対比の段階では利益は生じません。
しかし公益法人では、収益事業や共益事業の利益の50%以上を公益目的事業に繰り入れることになります。また、費用面では、従来、管理費で処理していた人件費や医師会館等の維持費用等で公益目的事業に配賦される費用もあり、収入と費用について、新新公益法人会計基準に基づいて処理した結果により収支相償の要件を判定します。
 この収支相償要件の判定の過程において、利益の出ている健診の部門があれば、収益事業の方へ整理することもあります。利益の出ている健診部門を収益事業へ移すことにより残りの健診事業の公益性をより説明し易くなることもありますし、収益事業会計が赤字であることにより「公益目的事業の実施に支障がある」とされることを回避する効果もあるからです。

3.公益目的事業比率の検討
 次に、健診事業や予防接種事業を公益目的事業とした場合に公益目的事業比率が50%以上となるかを検討します。健診事業や予防接種事業を行政から受託できなくなった場合に、公益目的事業比率がどのように変動するかも検討しておく必要があります。

4.合目的性の検討
 次は、事業が医師会、歯科医師会、薬剤師会様等の法人の目的と適合するかについてです。
健診事業や予防接種事業は地域社会の保険衛生と福祉の増進に寄与するものですから、定款の目的や事業に沿ったものとなるはずですが、もし、それが定款に照らして当てはまらない場合は、定款の条項も検討する必要があります。

5.技術的能力の保有
 次に、公益目的事業と認定されるためには、公益目的事業を行うために必要な技術的能力を有しなければならず、事業を外部に丸投げしていないかを検討します。例えば、「検体検査」を他の民間の臨床検査会社へ再委託したり、集団検診を他の民間の医療機関へ再委託する場合に技術能力の有無が問題となります。又、健診等を医師会の会員に委託する場合に、その委託行為が公益認定において支障があると判断される恐れがあることも注意しなければなりません。

6.公益認定された実績
 最後にその事業と類似する事業について公益認定の実績があるかどうかを検討することになります。最近は獣医師会、青年会議所、交響楽団、農業公社等、一つの事業が公認認定されると、次々と類似の事業を行う法人が公益認定されているので、実績があるかどうかも重要な判断要素となります。

※上田公認会計士事務所では公益法人制度改革に関する専門のコンサルタントがコンサルティングを行っております。

詳しくは、当事務所公益法人担当者(穂積、松井)までお尋ね下さい。

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